シリーズ名:2004年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(FN)
大会名:第9戦・鈴鹿サーキット
距離:5.807km×46周
第12回公式合同テスト:11月5日 快晴・観衆: − 人( 未発表 )
予選 :11月6日 快晴・観衆:11,000人(主催者発表)
決勝 :11月7日 快晴・観衆:26,000人( 同 )

公式予選ではともにSS進出を果たし、小暮が3番手グリッドを獲得
 決勝は、スタートで出遅れるも粘り強い走りを見せ7、8位でチェッカー 
予選形式は上位10台によるSS。 他チームのタイムを見守る。
SSで予選3位を獲得した小暮選手。
雲ひとつない秋晴れの週末となった鈴鹿。
決勝結果は7位、8位。タイトルを奪回することは出来なかった。
紅葉前線の南下と、朝夕の冷え込みに、秋の深まりを感じるようになった11月6〜7日、三重県にある鈴鹿サーキットでは、全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(FN)のシリーズ第9戦が開催された。
3人のドライバー、そして3つのチームがシリーズチャンピオンを掛けて挑む、今年最後のトップフォーミュラによるバトルを目当てに、多くのファンが詰めかけた。そんなファンの熱気に応えるかのように、週末は雲ひとつない秋晴れに恵まれ、絶好のレース日和となった。
 前回のもてぎ戦を終えた段階でチームは8戦3勝。これはチームとしては最多で、シーズン前から大きな目標として掲げてきた『ダブルタイトルの奪回』に関しても、2勝をマークしたロッテラー選手がランキング1位の座をキープ。小暮選手も開幕戦で初優勝を飾っており、チームランキング1位のまま最終戦を迎えることになった。
 今回の予選は、スペシャルステージ(SS)が採用されており、通常のセッションは午前中に1回、1時間のみ。
そこでトップ10に勝ち残ると、午後のSSで1台ずつタイムアタックする、F1の公式予選のようなスタイルで、上位10台のグリッドが決定する。
だから、決勝で上位を狙うためにも、先ずは午前中のセッションでトップ10に残る必要がある。
前日の合同テストで11番手に終わっていた小暮選手だが、走行終了後に変更したセットが巧く決まったようで、午前中のセッションではラストアタックで4番手となる1分45秒545をマークする。
一方のロッテラー選手は小暮選手とはコンマ1秒差の45秒611をマーク、ともに午後のSSに進出を決めることになった。
だが、午後のSSでは2人の明暗が分かれることになる。
5番目にアタックしたロッテラー選手は、アタックラップに入るとセクター1、セクター2と東コースからヘアピン手前までは、トップタイムで通過。45秒台前半の好タイムが期待されたがセクター3で少しペースダウン、そして最終のシケイン区間で失速してしまい、1分45秒613と、自己がマークした午前中のタイムに及ばず、最終的には8番手スタートとなってしまった。
一方の小暮選手は7番目にアタック。各セクターをアグレッシブに攻め、午前中の自己タイムをコンマ2秒以上も削り、ポジションもひとつ上げて3番手グリッドをゲットした。
 決勝日となる日曜日も、雲ひとつない秋晴れで明けた。朝一番のサポートレースに次いで、午前9時から30分間行われたフリー走行でも、小暮選手は4番手とまずまずのし上がり具合を見せる。ロッテラー選手もポジションこそ8番手に止まったがタイム的には上位陣と遜色ないレベル。午後の決勝での粘り強い追い上げが期待されるところとなった。
 だが、午後2時半にフォーメーションラップが始まった決勝レースは、正規のスタートが切られると同時に、思ってもみなかった展開となる。ポールポジションのリチャード・ライアン選手、セカンドポジションの井出有治選手、フロントローの2人は順調な出足を見せ、各車が一団となってそれに続く…。
いつも見慣れたスタート直後の1コーナーのシーンだが、PIAAカラーに塗られた2台のマシンが遅れる。小暮選手とロッテラー選手が揃ってスタートをミス。小暮選手は3番手から、6つポジションダウン、ロッテラー選手も5つポジションダウンし、それぞれ9番手と13番手でオープニングラップを終えることになった。
 小暮選手はマシンのバランスも少し狂っていたようで、なかなかペースを上げることが出来ず、立川祐路選手にもパスされ3周目には11番手に後退するが、それ以降は少しずつ良くなっていき、タイムも少しずつアップしていった。
一方のロッテラー選手は、タイムの伸び悩む野田英樹選手を抜きあぐねる状態が続いていた。
本来ならば、すぐにでもルーティンのピットインをしたいところだったが、残り周回数を考えると、6周を終える以前にガス補給を行えば、燃費的に厳しくなってくる。ジレンマに悩みながらもロッテラー選手は6周を終えたところでピットイン。
タイヤ交換とガス補給を終え、素早くピットアウトしていく。目の前がクリアーになったロッテラー選手は目一杯のペースで先を急いで行った。
 序盤、ペースが上がらず、一度は11番手に後退した小暮選手も、数周もするうちにマシンのバランスが良くなってペースアップ。ピットインのタイミングもあって6番手まで進出した19周目にルーティンのピットイン。
この周には多くのマシンが同時にピットインする慌ただしさとなったが、チームスタッフはいつも以上に素早い作業で小暮選手をコースへと送り出し、ポジションアップに一役買うことになった。
 ほとんどのマシンがルーティンのピットインを終え、レースも折返し点となった23周終了時点で、ロッテラー選手は9番手、小暮選手は10番手につけていたが、それから後も、2人は諦めることなく最後の最後まで猛プッシュ。
立川選手がピットインのタイミングで遅れ、ペースの伸び悩んでいた服部尚貴選手をかわしたものの、目の前を行くディフェンディングチャンピオンの本山選手は、流石に簡単にはパスすることができない。
だが、テールtoノーズで揺さぶりを掛け続けたロッテラー選手は、大詰めとなった45周目の1コーナーでアウトから仕掛けていった。だが、ここで少しオーバーランしてしまい万事休す。
最後の最後まで粘り強く猛プッシュしていった2人だったが、結局7位と8位でチェッカーとなり、ほぼ手中にしていたはずのダブルタイトルを奪回することはできなかった。

■PIAA NAKAJIMA RACING総監督中嶋悟のコメント
思わぬ展開から悔しい結末となりましたが、ドライバー本人が、最も悔しい思いを味わう最終戦となりました。でも、2人ともに、最後の最後まで諦めることなく戦う姿勢を持ち続けて、アグレッシブな走りを見せてくれました。
 シーズンを通じて、温かいご声援を頂きありがとうございました。結果的には無冠に終わりましたが、この悔しさをバネにして、来季は最高の笑顔で最終戦を迎えることができるよう、また、開幕戦から一歩一歩頑張っていきます。
 皆様方には、これまで同様来シーズンも、我がPIAA NAKAJIMA RACINGへのご声援をお願いします。

1年間のご声援ありがとうございました。



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