FD時代に走り込み、期待の掛かっていたもてぎではブレーキングでのリヤの不安定感に苦しめられ、予想だにしていなかった今季初のノーポイントに終わってしまったNAKAJIMA
HONDAの#64佐藤晋也選手。
返す返すも残念な結果に終わった前戦だったが、もてぎ戦で前半戦を終了、今回の鈴鹿ラウンドからは後半戦に突入する。
鈴鹿東スペシャルコースでの第11戦/第12戦。もてぎ以上に抜きどころのない舞台だけに、予選が重要になってくることが予想されたが、チームではマシンバランスの回復を狙って、マシン各部の見直しを行なってレースウイークを迎えた。
金曜日のF3協会占有走行では1回目8番手も、2回目に2番手タイムをマークした#64佐藤選手は、まずまずの手応えを得て土曜日の公式予選に臨んだ。
曇りがちで非常に湿度の高いコンディションで行われたその予選1回目、#64佐藤選手はセッション開始2分でコースインすると5周目に1分03秒858までタイムを詰め5番手につけると、2周ほどクールダウンラップを挟んだ8周目に03秒663にタイムアップ、まずは予選3番手を獲得する。
さらなるタイムアップを狙い、インターバルの間にフロントサスペンションに調整を加えた#64佐藤選手は、予選2回目の4周目に1分03秒064をたたき出しタイミングボードのトップに躍り出る。
再びクールダウンラップをとって再度アタックに向かう#64佐藤選手だが、結局タイムアップはならず。しかし、#64佐藤選手の03秒064というタイムを上回るライバルは現れず、堂々の初ポールポジション獲得となった。
予選上位は以下のような顔ぶれとなった。第11戦はポールに#1小暮卓史選手、2位に#7パオロ・モンティン選手、3位に#64佐藤選手、4位に#3マチュー・ザンガレリ選手、5位に#2長屋宏和選手、6位に#36片岡龍也選手。
第12戦は#64佐藤選手がポールを獲得し、2位に#7モンティン選手、3位に#1小暮選手、4位に#12富澤勝選手、5位に#11星野一樹選手、6位に#37平中克幸選手。いずれにせよ、#64佐藤選手にとってはまずまずの予選セッションであった。
土曜午後の第11戦。午後2時58分に決勝のスタートが切られたが、ここではポールから#1小暮選手が好スタート。しかし、これに劣らぬ猛ダッシュを決めた#64佐藤選手は、1コーナーでアウトから#7モンティン選手に並びかける。
残念ながら2位浮上はならなかったが、3番手キープで24周の戦いが始まった。
しかし、#64佐藤選手は思うようにペースが上げられない。早々に1分04秒台にペースアップするトップ2台に対し、#64佐藤選手は1分05秒台での走行が続き、レースの半分を過ぎた12周終了時点ではなんと2位の#7モンティン選手とのギャップは7秒7。
なんとか食い下がろうとプッシュする#64佐藤選手だったが、ややオーバーステア症状があり、思うようにタイムを上げられない。
背後にはずっとコンマ5〜6秒差で#3ザンガレリ選手が迫っており、#64佐藤選手にとっては非常に苦しい戦いとなってしまったが、それでもなんとか24周を耐えて3位を獲得することとなった。
なお、この第11戦、優勝は#1小暮選手、2位には#7モンティン選手が入っている。
翌日の第12戦。
自身初のポールポジションからのスタートとなった#64佐藤選手だったが、思わぬことで出鼻をくじかれてしまう。
前日の第11戦ではグリッド上でブレーキを使わずともマシンが静止状態を維持できたために、クラッチとアクセル操作のみに集中できたものの、この第12戦ではブレーキペダルを使わなければマシンが動いてしまう状況となり、若干スタート操作がラフになってしまったのだ。
このためスタートで#64佐藤選手はホイールスピンを起こしてスタートに失敗。予選2位の#7モンティン選手、そして#1小暮選手の先行を許してしまう。
前日の第11戦でのオーバー傾向対策のため、若干セッティングを変更して臨んでいた#64佐藤選手は、4位につけた#12富澤選手は引き離したものの、やはり先行したトップ2台には水を空けられてしまう。
結局スタートのミスを挽回するには至らず、中盤以降は終始単独走行となり3位キープのまま悔しいレースを終えることとなった。優勝は#7モンティン選手で、2位に#1小暮選手。#64佐藤選手は3位に終わり、残念ながらせっかくのポールポジションを生かすことはできなかった。
前戦のもてぎでの状況に比べれば、今回の鈴鹿では予選でもポールポジションを獲得するなど確かにマシンの見直しが奏功した感が強い。
また、抜きどころの少ないショートコースでの好グリッド獲得は、#64佐藤選手の成長を感じさせることにもつながったようだが、両戦ともにシリーズランキングのトップを争う#1小暮選手、#7モンティン選手に大きく離されての3位フィニッシュは、大幅なポイント獲得につながり後半戦の巻き返しのスタートは切った形だが、再びチームと#64佐藤選手に大きな課題を残すこととなった。
次戦は8月上旬の菅生ラウンド。仙台出身の#64佐藤選手にとっては地元開催となるイベントだけに、この1カ月のインターバルで再び後半戦に向けたさらなる体勢の建て直しが急務となったといえそうだ。
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