シリーズ名:2002年全日本F3選手権 第5戦・第6戦
大 会 名:第5戦/第6戦 富士スピードウェイ(全長:4.4km)
距   離:第5戦 4.4km×15周=66km
     :第6戦 4.4km×21周=92.4km
天   候:5月2日(木)曇り 路面:ドライ
     :5月3日(金)晴れ 路面:ドライ
観   衆:5月2日4800人:5月3日2万8900人(主催者発表)
#64佐藤選手、第6戦で自身初のトップに立つも初優勝はならず
3月末の鈴鹿での第2ラウンドから1カ月以上の長いインターバルを置き、全日本F3選手権は日本屈指の高速サーキットである富士スピードウェイに舞台を移した。
前戦の鈴鹿の第3戦ではファステストラップをマークし2位表彰台を獲得も、第4戦では終盤に3位争いを展開中、前車に追突する形となってしまったNAKAJIMA HONDAの#64佐藤晋也選手。
今回の富士では、前戦で断ち切ってしまった流れを再び取り戻すべく事前の合同テストにも参加、レースウイークに向けターゲットを絞ることとなった。
 5月1日の練習走行ではトップからコンマ6秒ほど離されての4番手あたりにとどまった#64佐藤選手。
しかし、5月2日午前の公式予選でも思わぬ苦戦を強いられてしまう。
第5戦用予選では高速コースの富士ということを意識しすぎたか、他車のスリップストリームを狙うも奏効せず、1分27秒789とポールポジションを奪ったパオロ・モンティン選手からコンマ8秒遅れの7番手に沈む#64佐藤選手。
 気持ちを入れ替え、単独でのアタックでとりあえずのタイムをマークした後、スリップを探す作戦に出た第6戦予選。しかし、この作戦もセッション中盤に他車がコース上にオイルを撒いたために不発となり、タイムは1分27秒534どまり。予選6番手に終わってしまう。今ひとつリズムの噛みあわない、まさに不完全燃焼といえる予選であった。
 ちなみに第5戦の予選上位は、ポールに#7モンティン選手、予選2位に#1小暮卓史選手、予選3位に#3マチュー・ザンガレリ選手、予選4位に#37平中克幸選手、予選5位に#2長屋宏和選手、予選6位に#36片岡龍也選手。一方第6戦も、ポールは#7モンティン選手。予選2位に#37平中選手、予選3位に#1小暮選手、予選4位に#3ザンガレリ選手、予選4位に#36片岡龍也選手、予選5位に横溝直輝選手、予選6位に#11星野選手となっている。
2日午後3時20分にフォーメイションがスタートした第5戦(15周)。グリッドへの試 走中に#36片岡選手がコース上にストップしたため、#64佐藤選手は結果的に6番手からのスターとになった。
しかしスタートで#12富澤勝選手に先行され、#64佐藤選手は1周目6番手。2周目に#2長屋選手をかわして5番手に浮上したものの、約2秒の間に2位の#37平中選手から#3ザンガレリ選手、#12富澤選手、そして#64佐藤選手までがテール・ツー・ノーズのまま膠着状態となる。なんとかチャンスをうかがう#64佐藤選手だが、結局そのまま5番手でゴールとなった。
なお、第5戦優勝は#7モンティン選手。2位に#37平中選手、3位に#3ザンガレリ選手が表彰台に上がった。
 3日に行なわれた第6戦。
午後2時過ぎに21周のレースのスタートが切られたが、#64佐藤選手は1周目#36片岡選手をかわして5番手。
さらに2周目の1コーナーでスリップから抜け出し、#3ザンガレリ選手をパスしていったん4位に。しかしその周回のうちに#3ザンガレリ選手に再び先行を許し、再度3周目の1コーナーで#3ザンガレリ選手に並びかける#64佐藤選手だったが、返す刀でサントリーコーナー進入で#3ザンガレリ選手にインを奪われる。
ところが、そのさらにインを#8横溝選手が突き、#3ザンガレリ選手と#8横溝選手が接触。幸運にも#64佐藤選手は単独4位に返り咲く。しかし、この順位もすぐさま#36片岡選手に奪われてしまう#64佐藤選手が再び5番手。
しかし、ドラマはここから。5周目の1コーナー〜サントリーコーナーでトップを争っていた#37平中選手、#1小暮選手、#7モンティン選手が交錯、接触し3台ともにリタイアとなってしまったのである。
これでセーフティーカーがコース上に入ったが、#64佐藤選手はいったん自身初のラップリーダーとなる。
 再スタートが切られたのは7周目から。しかし、この1コーナーで#64佐藤選手は#36片岡選手にかわされ、2番手に下がってしまう。あきらめずに前を追う#64佐藤選手は、9周目の1コーナーで再び首位を奪還、12周終了時点までトップを守る。
 だが、再び13周目の1コーナーで#36片岡選手に逆転を許した#64佐藤選手は、じりじりと後退、逆に追い上げてきた#3ザンガレリ選手の攻勢を受け、18周目の1コーナーで2位の座も明け渡してしまう。
なんとか再逆転を狙う#64佐藤選手は、最終ラップのBコーナー立ち上がりから#3ザンガレリ選手の背後につけ、最後のストレートでのオーバーテイクを狙ったものの、0.054秒及ばず3位にとどまることとなった。
 なお、第6戦の優勝は#36片岡選手。2位に#3ザンガレリ選手、3位に#64佐藤選手。
自身初のトップに立った今回の富士は、#64佐藤選手にとっては貴重な経験となったこ とだろう。
だが、今回勝てなかった要因のひとつに、トップに立ってからの精神的、技術的安定感が足りなかったことが挙げられるのは残念ながら否定できないところ。
せっかくのチャンスを確実にモノにしていくことが、長いチャンピオンシップを戦う上では必要不可欠であることは間違いない。前回の鈴鹿で抜群の速さをみせた#64佐藤選手だけに、今回の富士では逆に「強さ」という点で足りない部分が垣間見えた。
次なるレースは2週間後の美祢。ぜひとも新たなテーマである「強さ」を発揮して、今回獲り逃した初優勝を積極的に狙ってもらいたい。

 

● NAKAJIMA HONDA総監督中嶋悟のコメント
第6戦は上位3台が接触してリタイアし、4位を走行していた佐藤選手が再スタート7週目からトップとなったが、そのポジションをキープできなかった悔しさは本人が一番わかっていると思うので、この経験をバネにして次戦美祢に活かしてほしい。
※次戦は、5月18日(土)−5月19日(日)、美祢サーキットで開催されます。



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