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シリーズ名:2002年全日本F3選手権 第3戦・第4戦
大 会 名:第3戦/第4戦 鈴鹿サーキット(全長:5.821km)
距 離:第3戦 5.821km×12周=69.85km
:第4戦 5.821km×17周=98.95km
天 候:3月23日(土)曇り 路面:ドライ
:3月24日(日)晴れ 路面:ドライ
観 衆:3月23日1万6000人
:3月24日2万4000人(主催者発表)
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#64佐藤選手、第3戦で自己最高の2位表彰台を獲得!!第4戦は9位に!
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筑波での開幕ラウンドから3週間。
2002年全日本F3選手権第2ラウンドは、舞台を鈴鹿サーキットに移し、第3戦・第4戦が行われた。前回の筑波では幸先の良い3位表彰台を獲得したものの、2レース目をクラッチトラブルでリタイアするという好対照な結果となったNAKAJIMA
HONDAの#64佐藤選手。
3月中旬に行われた鈴鹿合同テストにも参加、セットを煮詰めてこのレースウイークを迎えることができたが、その好調ぶりを裏付けるように金曜日の練習走行ではトップタイムをマークしてみせた。
ポールポジションへの期待を抱かせた#64佐藤選手であったが、土曜日朝の公式予選ではいまひとつ乗り切れず第3戦、第4戦ともに予選3位に甘んじてしまう。
3月末にしては非常に気温が低く、それでいて路面がスリッピーという条件が合わなかったのか悔しい結果となったわけだが、第3戦ではポールポジションの#7パオロ・モンティン選手と0.227秒差、第4戦では同じくポールを獲得した#1小暮卓史選手と0.212秒差と、タイム差は非常に少なく、決勝でも緊迫したトップ争いが予想された。
第3戦の予選上位は、ポールに#7モンティン選手、予選2位に#1小暮選手、予選3 位に#64佐藤選手、予選4位に#11星野一樹選手、予選5位に#8横溝直輝選手、予選6位に#12富澤勝選手。
同じく第4戦は、ポールに#1小暮選手、予選2位に#7モンティン選手、予選3位に#64佐藤選手、予選4位に#36片岡龍也選手、予選5位に横溝直輝選手、予選6位に#11星野選手であった。
土曜日午後に行われた12周の第3戦。ホームストレートでは強い追い風が吹き、難しいコンディションの中でスタートが切られた。しかし、なんとここでポールの#7モンティン選手がストールに見舞われ、#64佐藤選手は行き場を失い、せっかくの好スタートを生かせず1コーナーには2番手で入る。
トップは#1小暮選手で、1周終了時でのギャップ は1.3秒。
追いかける#64佐藤選手は序盤からハイペースで走行し、瞬く間にレースはトップ2台の一騎打ちの様相に。
いったんは1.8秒に開いた差だったが、トップより先に2分を切る好タイムで追い上げ始めた#64佐藤選手は、安定した走行でじりじりと差を詰め始める。
10周目にはついにその差は1秒を切ったが、翌周には#1小暮選手もプッシュし、結局このふたりのポジションは変わらず優勝は#1小暮選手。あと一歩届かなかったものの、#64佐藤選手は大健闘で見事自己最高位の2位を獲得した。
しかも1分59秒888というファステストラップも手にしており、決勝でのパフォーマンスの高さがうかがえた。
前日の第3戦で2位を獲得、ここで波に乗りたい#64佐藤選手とチームだったが、日曜日の第4戦(17周)では思わぬトラブルに見舞われてしまった。
前日と同様にフォーメイションラップを終えて3位グリッドに着いた#64佐藤選手だったが、ギヤをニュートラルに入れようとシフトしたものの、ニュートラルのランプが点灯しない。
このため、すでにグリッドに着いていた#64佐藤選手はギヤが1速のままなのか、ニュートラルに入っているのかが判別できず、スタートの準備ができないままレッドシグナルの消灯を迎えてしまう。
ダッシュしていくライバルたちに飲み込まれる#64佐藤選手は、大きく出遅れながらもようやく1速にシフトしてスタートを切ったが1周終了時点での順位はなんと12位。
思わぬ不運に見舞われた形となったが、しかしそこから追撃が始まった。
2周目に9位、3周目に8位、7周目に6位に浮上した#64佐藤選手は、8周目にも#12富澤選手をかわして5位に上がると5秒以上あった4位の#36片岡選手との差を見る間に縮め、ついに14周目のシケイン進入で#36片岡選手のインをついて4位を奪う。
この時点で前を行く#37平中克幸選手とのギャップは2.8秒あり、残り3周での逆転は不可能かとも思われた。ところが15周目に前日に続く2分00秒053のファステストラップを叩き出した#64佐藤選手は、一気にその差を1.161秒に詰めることに成功。
翌16周目の西コースでは既に前を行く#37平中選手を射程に収めていた#64佐藤選手だったが、好事魔多し。シケインの進入でハイペースで追い上げる#64佐藤選手と#37平中選手とのわずかなタイミング、あるいはリズムのずれがアクシデントを呼んだ。
いい勢いでシケインに進入した#64佐藤選手が#37平中選手に追突する形となって2台は接触、スピンしてしまう。
#37平中選手は不幸にもその場でリタイア、#64佐藤選手もノーズコーンにダメージを受け、再スタートを切って8位でゴールしたものの、レース後審査委員会によりL項違反という裁定が下されたため、1周減算およびペナルティーポイント1点を課されて9位に降格となった。
筑波ラウンド同様に明暗が分かれる2レースとなってしまった第3戦・第4戦。FD育ちの#64佐藤選手にとっていわばホームコースでの戦いだっただけに、今回のレースウイークを振り返ってみれば、マシンと#64佐藤選手のトータルなパッケージのポテンシャルと
しては十分に勝機はあったように思われる。
しかし、土曜日の予選セッションで本来の力を出し切れずにフロントロウを逃してしまったことが、今にして思えば大きなポイントであったはずだ。残念ながら第4戦ではアクシデントに至ってしまったものの、2戦ともにファステストラップを獲得するなど決勝での集中力や駆け引きにはかなり成長が見られる#64佐藤選手だけに、残る課題は予選順位の改善とスタートの2点となるだろう。
次戦は5月、ゴールデンウイークの富士。残された課題を克服し、#64佐藤選手には大観衆の目前での初優勝を期待したい。
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● NAKAJIMA HONDA総監督中嶋悟のコメント
「3戦目にして2位という素晴らしい成績を収めることがでしきました。積極的なレース展開を見せてくれるようになり、今シーズンは楽しみです。次回のレースも期待したいと思います。
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※次戦は、5月2日〜3日、静岡県富士スピードウェイで開催されます。 |