シリーズ名:2001年全日本GT選手権(JGTC)
大会名:第7戦(最終戦)・CP MINE GT RACE
距離:3.330km×76周
予選:11月10日 曇り・観衆:1万6200人(主催者発表)
決勝:11月11日 晴れ・観衆:4万6400人(  同  )

旧レコードを更新するまずまずの滑り出しながら、
決勝では不運なマシントラブルに見舞われてリタイア

 11月の声を聞いて立冬も過ぎ、ますます冬の風情の高まってきた11月10〜11日、本州最西端にある山口県は美祢サーキットにおいて、2001年全日本GT選手権レース(JGTC)のシリーズを締めくくる第7戦(最終戦)が開催された。
生憎と吹く風は冷たかったが、穏やかな陽射しに恵まれた決勝日には、4万6千人を超える大観衆が詰めかけて、シーズン最後のGTバトルを心行くまで楽しんでいた。
GTとともに国内モータースポーツの最高峰に位置づけられているフォーミュラ・ニッポン(FN)でもエースとして戦う松田次生選手と、昨シーズンに引き続いてGTをドライブするD.シュワガー選手。
2人の若いドライバーを擁して今シーズンに臨んだ我がMobil1 NAKAJIMA RACINGだが、開幕戦で3位表彰台をゲットしたものの、第2戦以降は不本意な戦いを強いられてきた。
前々回のもてぎラウンド第5戦でシリーズ初優勝を飾ったものの、前回の鈴鹿ラウンドではバックマーカーからの貰い事故でリタイアを余儀なくされるなど、どうしてもちぐはぐな展開となってしまっている。
シリーズ最終戦となる今回は、是が非でも優勝して有終の美を飾り、来シーズンに繋げたいもの。
ストップ&ゴーがメインとなる美祢サーキットは、コーナリングスピードでタイムを稼ぐMobil1 NSXにとって得意なコースとは言えないものの、不幸中の幸いとも言うべきか、前回のリタイアでウェイトハンディは50kgと、少しだけ身軽になっていたのでチームは意気揚々と美祢サーキットに移動した。
約1ヶ月前に事前テストが実施されることの多いJGTCだが、今回の最終ラウンドは事前テストがなく、そのためもあって木曜日には特別に走行セッションが設けられていた。
この走り始めとなった木曜日からMobil1 NSXは快調だった。
木曜日の2回目のセッションでマークした1分23秒058は、2日間/4回のセッションを通じてのトップタイムとなり、また唯一ウェットコンディションとなった金曜日2回目にも、1分33秒779のセッショントップタイムをマーク。2人のドライバーも含めて、チームの気合いと期待が一気に高まった状況で、土曜日の公式予選を迎えることになった。今回もタイムアタックは シュワガー選手が担当する。
1回目のセッションは前夜の雨が少し残っていたが、コースはハーフウェットからドライへと、次第にコンディションが良くなっていき、シュワガー選手も1分23秒072まで短縮。
このセッションでは5番手に留まっていたが、午後に行われる2回目が勝負所となるのは必至。
シュワガー選手は一層集中力を高めながら、午後のセッションを待つことになった。
しかし、気合いが入りすぎたのか2回目のセッション最後のアタックラップでブレーキをロックさせてしまう。走行後データロガーでチェックしてみるとコンマ数秒はロスした計算になる。
これでスターティングポジションは5列目10番手まで後退してしまった。
レースラップでも安定して速いことは充分に分かっていたが、パッシングポイントの少ない美祢だけに、決勝レースは随分厳しい戦いが予想されることになった。
さらに、日曜日の朝に行われたフリー走行ではミッションにトラブルが発生していた。
セッションの終盤、シフトレバーを支えていないとギアが抜けてしまう症状が出てきたのだ。
決勝レースまでの短いインターバルで、スタッフは懸命にミッション周りの最終チェックを行ったのは言うまでもない。
そんな状況で迎えた決勝レース。
スタートドライバーを担当したシュワガー選手は、着実にそしてミッションに優しいドライビングを心がけながらも、次第にポジションをアップ。
レースも丁度半分となる38周を走り終えたところでピットイン。
しかし、順調に見えたMobil1 NSXだったが、実はミッショントラブルの症状は確実に悪化しており、数周前からは朝のフリー走行と同様に、ギアが抜けやすくなっていた。
シュワガー選手に代わってピットアウトしていった松田選手も、この重傷となったミッションを労りながらの走行を続けたが、48周目に入ったところでとうとうミッションが音をあげてしまった。
最終的にギアが何速にも入らなくなったマシンではどうしようもなく、松田選手がコースサイドのグリーンにマシンを止め、我がMobil1 NAKAJIMA RACINGの2001年シーズンは、終焉の時を迎えることになった。

●Mobil 1 NAKAJIMA RACING総監督 中嶋悟のコメント
 「前回に続いて今回もリタイア。散々なシーズン終盤となりましたが、精一杯戦う姿勢を見せたことで、応援していただいた皆さまにも我々のチームの存在をアピールできたことと自負しております。シリーズ最後まで、我がMobil1 NAKAJIMA RACINGにご支援を頂き大変有難うございました。また、今後とも一層のご声援をよろしくお願いします。」



< Nakajima Racing ■home ■what's new ■rece report ■about us ■history ■link world >