シリーズ名:2001年全日本GT選手権(JGTC)
大会名:第6戦・鈴鹿GT300km
距離:5.859km×49周
予選:10月27日 曇り・観衆:1万3000人(主催者発表)
決勝:10月28日 晴れ・観衆:3万0000人(  同  )

ウェイトハンディに苦しみながらも旧レコードを更新
決勝では周回遅れのマシンと交錯しリタイア


 紅葉前線が列島を南下し、吹く風の寒さも一層増してきた10月27〜28日、三重県の 鈴鹿サーキットにおいて2001年全日本GT選手権(JGTC)シリーズ第6戦・鈴鹿GT300km レースが開催された。
決勝レースが行われた当日は、予報に反して午後からは晴れ間 が広がるレース日和となり、3万人のファンが、シリーズも大詰めを迎えたGTバトル を大いに楽しんでいた。
 今シーズンは、フォーミュラ・ニッポンでもエースとして戦う松田次生選手と、昨 シーズンから引き続いてNSXをドライブするD.シュワガー選手、という若い2人の新コ ンビで参戦している我がMobil1 NAKAJIMA RACING。

開幕戦で は3位表彰台をゲットして上々の滑り出しを見せたものの、その後は不本意な展開が 続いていた。だが、前回のもてぎラウンドでシーズン初優勝を飾りランキング5位に 躍進することになった。使用するマシン、Mobil1 NSXは、前回から排気系 に手が加えられるなど、一層のポテンシャルアップが図られているが、前回のもてぎ ラウンドで優勝したこともあって、今回のウェイトハンディは70kg。
ターボエンジン を搭載するライバルと違い、NAエンジンのNSXにとって、このハンディは厳しいとこ ろ。本来的にはコーナリングスピードでタイムを稼ぐNSXにとっては得意とする鈴鹿 サーキットだけに、シリーズの展開を考えるなら、ポイントを加算しながらもウェイ トを降ろせる4位入賞を目標に、サーキット入りとなった。
 だが、走り始めとなった金曜日の公開練習から、ウェイトハンディの厳しさを、改 めて思い知らされることになった。快調にタイムを詰めていくNSX勢の中でMobi l1 NSXは、1秒余り遅れた10番手前後に留まってしまったのだ。

土曜日の公式 予選では、更に状況は厳しくなる。タイムアタッカーを務めるシュワガー選手が懸命 にアタック、これまでのコースレコードを更新し、2分の壁をも破る1分59秒602の好 タイムをマークしたものの、ポジション的には16番手まで後退してしまったのだ。
だ が、予選3番手までコンマ5秒強、とタイム的には僅差だったから、2人のドライバー が同じようなペースで安定して走れる、我がチームの特性を発揮すれば、上位入賞も 不可能ではない。

さらに、ここまで晴れ/ドライのコンディションが続いていたが、 決勝日となる日曜は、午前中60%、午後には80%と降水確率が高く、雨となる可能性 も高かったが、そうなるとウェイトハンディはトラクションを高める効果が期待でき る。
高まる期待感の中で予選日を終えることになった。
 事実日曜日は、どんよりと黒雲がたれ込める中で明けた。朝一番で行われたフリー 走行の最中には、ついにポツリポツリと落ち始めた。これで決勝までのインターバル には、果たしてドライタイヤかインターミディエートか、はたまたレインか、と、ど んなタイヤを選んでスタートするか、チームは頭を悩ませることになる。決勝のス タート進行が始まっても、まだ結論が出ず、Mobil1 NSXはコースイン時に ドライコンディション用のスリックタイヤを装着、シュワガー選手が注意深く1周し てグリッドに着いたが、スタッフは、状況によってはその場で交換できるようイン ターミディエートとレインをグリッドに用意したほどだった。

だが、スタートを前に 空が明るくなり、昼前の俄雨で一旦はウェットとなったコースは乾いて、ドライコン
ディションが保たれたまま、全車がスリックタイヤでのスタートを切る。
結果的に、 その後も天候は好転、レース終盤には晴れ間も広がるほどのレース日和となったが、 スタート前の慌ただしさは印象的だった。
 いつものように今回もまた、スターティングドライバーはシュワガー選手。手慣れ たローリングスタートを手際よくこなして2つほどポジションアップ。コースが完全 に乾ききっていなかったこともあって、レースペースは予選タイムほどには上がら ず、70kgのハンディを背負ったMobil1 NSXでもトップに互して走れるほ ど。

しかも、レースが荒れた展開となったから、着実に走っていれば充分に上位入賞 も狙える。実際、スタート直後から脱落するマシンが相次ぎ、シュワガー選手も11周 目までには労せずして11番手まで進出していた。ところが、そんなシュワガー選手に もとんだハプニング。

GT300クラスのバックマーカーのスピンに巻き込まれる恰好 で、我がMobil1 NSXもスピンオフ。再スタートは切れたものの、マシンダ メージはサスペンションにまで及び、1周回ってピットに戻ってきたシュワガー選手 はそのままガレージに直行。
残念ながら呆気なくレースを終えることになった。

●Mobil 1 NAKAJIMA RACING総監督 中嶋悟のコメント
 今回のリタイアで、ノーポイントに終わり、自力での逆転チャンピオン獲得は厳し くなりましたが、可能性がある限りネバー・ギブアップ。
2週間後に美祢サーキット で開催されるシリーズ最終戦でも優勝を目指して頑張ります。
シリーズ最後まで、我 がMobil1 NAKAJIMA RACINGに、一層のご声援を、よろしくお 願いします。

※次戦は、11月10日〜11日、山口県美祢サーキットで開催されます。



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